ドル円相場が、一時143円と24年ぶりの水準まで急激な安さに下落していますね。
ドルで決済の諸外国との輸入業をされている会社・個人や、それらの国に海外旅行をされる方は、あまりの安さと急激さに、相当厳しい思いをされていることと思います。
ただ、この円安は、ドルに対してだけではなく、ほぼ世界中で日本円だけ一人負けしている様相ではありませんか。
世界中から日本は終わりだと示唆されているかのようです。
そんな恨み節を書きたくなるのは、私どものロートアイアン各種製作品は、ベトナムで製作していますので、ご多分に漏れずその悪影響をモロに受けているからです。
ベトナムの通貨は、ベトナムドン。
3月4日の198.85ドン/1円から円の暴落が始まりまして、9月7日現在、164.72ドン/1円まで落ちています(為替相場の資料をどこで取るかによって、多少の前後はあると思います)。
実に半年間で約17%もの下落です。
単純に言い換えれば、同じ物の製作を発注しても、何もしていないのに半年で17%も値段が上がったということになります。。。
これに対して、日本国内を見て、平均値を取れば長期間誰も収入が上がっていないこの国で、半年間で17%も値上がりする商品を喜んで買っていただけるような状況でしょうか。
無理ですよね。。。
もはや、様々な問題が隠しきれずに遂に噴出し始めてしまった、そんな恐怖感を覚える状況です。
しかし、慈善事業や公務員ではないですから、ただそうは言っていられません。
私どもも別途項目で明記した為替変動価格を見積で上乗せさせていただいております。
パーセンテージは、通常金額に15%(これでも、実際の円の下落幅よりは多少サービスさせていただいております)上乗せした別項目を提示しています。
この忌まわしい別途上乗せ料金は、3月4日の相場に戻るまで続ける予定です。
一つだけ申し上げますと、ロートアイアン業界はすべて外国で製作しているものと推察します(元々ヨーロッパ由来の建材ですから、それを人件費の高い日本で製作する意味が最初からわかりません)から、すべての業者・個人が同じ状況で値上げをしていると思います。
よって、私どもの価格優位性(=為替相場の影響を除いた、ベトナムの日本からの近さと、本場フランスの植民地であった優位性、彼らの今のところの平均年収の優位性)は、ことロートアイアン業界で比較する限り、変わらないのではないでしょうか。
果たして、円がこのまま下落し続ける悪夢が、現実にならないことを祈るしかありませんが。。。
そうなったら、もはや輸入業者が厳しいとか、物価が上がり続けるとか、海外旅行に行けないとか、そんな話を乗り越えて、本当に国の終わりが見えて来るのでしょうね。
記事:ロートアイアンデザイナーT