港区のロートアイアン製作巨大6連ゲートに、アクリル板を取り付け中ですが、よりおしゃれです!
店舗のアプローチの雨よけと、店舗のデザイン性を兼ね備えましたキャノピーですので、その素材がガラスですと、万が一飛来物などで割れた時に、お客様などにお怪我を負わせてしまう危険性があります。
ですから、昨今ではこうしたアクリル板を使うことがほとんどだと思います。
しかしながらアクリル板ですと、表情が無い、経年美とならずに経年劣化しやすい、そうしたデメリットが前面に出て来がちなのも、また事実。実に悩ましいところです。
しかも屋根の庇材ですから、雨で汚れやすく、透明という訳にはいかず、いつも乳白色を使っていましたが。。。
乳白色のアクリル板も、モダンなペロッとした建物のバルコニー手すりなどには合うのかも知れませんが、正直ダサすぎて、さらなる悩みの種でした。
今回からは、以前で言うところの曇りガラスの一種、業界で言うところの「型板」ガラスのデザインのアクリル板を使ってみることにしました。
ガラスの片側がガタガタしていて、曇りガラスっぽくなっている、よくある例のモノです。
そもそも、「曇り」はすべて、ヨーロッパの外灯がガス灯だった頃に、ガスですからガラスの内側がススけて曇ってきている、その何とも言えない風情や色気を表現したくて、それを目指したものと思われます。
これが一番近いのかな。。。そう納得するしかありませんが、今のところ、これがベターな素材だと思いました。
ちなみにベストは、自らステンドグラスを製作されるというお客様とお話した時にハッとさせられたのですが、屋根の庇材のためにステンドグラスを製作する、そのことだと思います。
ヨーロッパの教会のように激しい絵柄でなくても、濡れ色のガラスのような透明系のガラスの組み合わせで良いのです。
そんな素敵なキャノピーは無いだろうなあ、想像するだけで楽しくなってきますが、いつか製作してみたいですね!
蛇足でおさらいですが、このゲートは、日本最高級のひとつである、港区は西麻布に新規オープンする2店の店舗(飲食店・関係の物販店)のための正面ゲートして製作されたものです。
全幅約7.6m、高さが最高部で約2.9mと圧倒的で、これだけでも他では見ることの出来ない威容を誇りますが、今回はその大きさよりも、唯一無二のオリジナリティ溢れるデザイン性にご注目いただきたいところです。
オリーブの森にいざなわれた動物達が織りなす、大キャンパスに描かれた物語のような世界観は、私の知り得る限り、他にはありません。
何とも説明が難しいところですが、日本的に言えば、昔懐かしい「影絵」の世界でしょうか。
ちなみに、これらのオリーブの葉や、実、ラベンダーの花や葉の装飾は、今回のためだけに特別に型から起こして製作したものになります。
これが、その苦労もあいまって、とても感動する出来映えになっています!
このゲートだけでも、まだまだ工事中ですので、また進捗がありましたらご紹介させていただきます。
これほどのゲートでしたら、このような店舗の正面を飾るゲートとしてはもちろんのこと、邸宅や別荘、大使館、ホテル、リゾート、レストラン、エステ・サロン、ヨーロッパの高級ブランドや、外車を扱うショールーム、結婚式場など、幅広いラグジュアリーブランドの顔としても「ふさわしい」ゲートと言えます。
フルオーダーメイド、ハンドメイドの醍醐味が余すところなく発揮された、もはやロートアイアンの域を超えた新しいロートアイアンの世界とも言えるのではないでしょうか。
記事:ロートアイアンデザイナーT