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ロートアイアンの門扉・門・ゲート #020

 ロートアイアンの門扉・門・ゲート#020は、私どもとしましてもとても珍しく、目隠しバージョンです。
 「敷地の中が見通せない」という意味で、何か視線をさえぎる物を張り付けるか、間に挟むしかありません。
 現代の素材でよくあるのは、乳白色などのアクリル板を使うアイデアですが、あまりお勧めしません。人類史上最古の素材の一つであるロートアイアン(鉄)と、新建材の代表格(石油由来製品)の一つである乳白色のアクリルの相性が、とても悪いのだと思います。
 アクリル板を使われるのであれば、カスミ柄(型板ガラスのデザイン)の方がまだましで、濡れ色ガラスのような雰囲気にはなります。
 (=ランプによく使います)

 今回は、お客様のご要望によりまして、門扉の重量がかなり重くなることをご承知置きいただいたうえで、鉄板を間に挟み、両側に同じ装飾を施すデザインになりました。
 ただ、鉄板は見た目に比べてかなりの重さになり、吊ってしまえば問題ありませんが、輸送と取付が大変です。
 そんな見えない苦労はたくさんあったものの、いざ取り付けてみれば、このおしゃれさです、最高でした!
 何よりも一言目に思い浮かんだ言葉は、「気品」「品格」「格式」でしょうか。
 この日本の悠久の歴史を動かした土地、鎌倉にピッタリなキーワードではありませんか。
 そこに、ヨーロッパ悠久の歴史から生まれたロートアイアンの門扉が似合うなんて、何て素敵な組み合わせなのでしょう!
 
 かなりヨーロッパのロートアイアン伝統のテイストを組み込んだ装飾デザインにも関わらず、あまりそう感じないのも、目隠しバージョンの良さなのかも知れませんね。
 重ねてになりますが、今まであまりやってこなかった「目隠しバージョン」のデザインですが、今後はもっとお勧めしていきたいと思いました、この鎌倉のプロジェクトでした。
 
 最後に一点、私としましては何度も繰り返していることですが、このお客様も敷地の多くを庭園としてしつらえ(フロントヤード)、地域環境のことを想いめぐらせ、既に素敵な邸宅として鎌倉の地にあっても輝いていました。
 そのおかげもあって、私どものロートアイアンの各種製作品が、とても美しく映えるのです。
 さすがヨーロッパ由来のロートアイアンですから、世界一とも言える美しさのヨーロッパの街並みよろしく、植栽や草花もトータルに美しく生かす文化の昇華、その一言に尽きるのだと思います。
 邸宅だけでなし、庭園だけでなし、ロートアイアンだけでなし、すべてがセットになって、ようやく美しい邸宅、街並みを育てていくものだと思います。

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